働き方インタビュー 008 / 作詞家志望 しらさぎゆき
働き方インタビュー8人目は、京都のしらさぎゆきさん。力が抜けたゆるい似顔絵はどんな人が描いてるのかな?と思ってメールしました。京都の方なので、お会いするのは難しいと思ってたのですが、僕が行く予定だった名古屋の似顔絵の大会を見にこられるということで、大会中に待ち合わせして公園でインタビューさせていただきました。
今までと違いすぎるエピソードに衝撃を受けました。似顔絵師は十人十色!
(画像の掲載許可をいただいています。)
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しらさぎゆきプロフィール
しらさぎゆきさん、京都在住の似顔絵イラストレーター 「心と体の健康」をテーマに「イラスト α」な創作活動
プロフィールを見ても全然わからない。どんな人なんでしょうか?さっそくインタビュー開始です!
インタビューはじまり
では、早速始めましょう。今回はインタビュー受けてくれてありがとうございます。
実は、中谷さんからメールがきたときすごいビックリしたんです。他の人はみんなすごい人ばかりだし、しかも中村剛さんまでいるでしょ。だから、最初は断ろうと思ったんです。
えっ、そうなんですか?
そうなんです。でもね、他の人とは違う似顔絵の可能性をお伝えできるんじゃないかと思って、頑張って受けようと思ったんです。
違う可能性ですか。楽しみですね。なんかね、このインタビューは怖いって言われることがあるんです。
そう、怖い! 中谷さんって頭がよさそうでしょ。
うそ(笑)。なんでそういうイメージになってるんですか? 僕は頭よくないですよ。
サイトを見てると、いろんなことをやってて、いろんなことを考えているのが分かるじゃないですか。だから、どんなことを聞かれるんやろうってドキドキするんです。ま、怖いと思いつつ、インタビュー受けてる自分がよく分からんのですが(笑)。
わははは。でも、引き受けて頂けて嬉しいです。ありがとうございます。
お仕事について
じゃ、早速聞かせてください。お仕事は似顔絵師なんですか?
似顔絵も描きますけど、いちおうイラストレータでやってます。でも、バリバリやってるわけじゃなく、家庭を優先してますね。 …なんか、緊張するなあ(笑)。
緊張しますか(笑)。
企画会社とフリーランス契約をしてて、専属のイラストレーターをさせてもらってるんです。だから、似顔絵だけじゃなくて、イラストとかキャラクターも描きますし、パッケージデザインもします。
お仕事は営業されてるんですか?
いや、全く売り込んだりしないんですけど、ブログを見て依頼がくるんです。
すごいですね。理想じゃないですか。
うーん。いっぱい仕事が来たらいいですけど、そういうわけではないですし、企画会社がオーケーでもクライアントに通らないものも多いんでね。
そうか、打診が来て、描いたとしても、仕事として成立するかどうかは別なんですね。
一応、描いた時点でギャラはいただくんですけど、キャラクターの場合は商品化するかどうかは分からないですね。今までも、震災で保留になったり、商標で問題になったりといろいろあって、まだ商品化はしたことないです。売り込み用に作ったキャラもあるので、今までボツになったキャラはたくさんありますよ(笑)。
僕は昔にそういう代理店から打診があって、ゴルフの宮里愛さんを描いて提出したんです。そしたら連絡が繋がらなくなったんです(笑)。電話してもダメだから、社名で検索したらそんな会社は存在してませんでした…。そういう経験はありますか?
それは特殊だと思いますよ(笑)。似顔絵でいえば、昨年、名古屋の河村市長と愛知県の大村知事のおかしをつくる企画があって、出したこともあります。負けましたけど…。
じゃ、違う人が描いた似顔絵おかしが発売されてるんですね。
たぶん、そうじゃないですか。見てないですけど。
いやー、でも、商品企画の依頼が来るのはすごいことやと思いますよ。
そうですね。ありがたいことです。でも、私の似顔絵を使うってどういうことを求められているか分からなくなるときもあるんです。
そのままでいいんじゃないですか。ゆるかわいいイメージでしょ。
私もカワイイつもりなんですけど(笑)。カワイク描いてくださいとか言われるんです。そうすると、悩みますね。
そんなん言われるんですか。適切な表現かどうか分からないですが、僕のしらさぎさんのイメージは、ちびまる子ちゃんの絵みたいな感じです。
あー、分かる分かる。
シンプルでかわいらしい感じ。似せる気はないんかなと思いつつ、でも、似てる。微妙なところにいる人。
そうそう。微妙なんです。だから微妙な依頼も来るんです。たとえば、ある仕事で言われたのは、「似てなさそうで似てるイラストを描いてください」って言われたんです。
難しいなあ(笑)。
それで、いつも通り描いたら、そうじゃないって言われました(笑)。
それは難しいですね。イラストを公開してるのでそのままでオーケーにしてほしいですよね。
ねえ。さらに後日談があって、納品して1週間ぐらい経ってから「もっとリアルにして欲しい」って言われたんです。
それだったら、最初から違う人に頼んでって感じですね。でも、そういう話はよく聞きますよ。
たぶん、私の推測なんですが、選ぶ人はオーケーだったけど、上がダメやったんじゃないかと思います。
ああ、そういうのってありますねえ。イラッときますよね(笑)。
でも、その担当者には敬意です。私を選んでくれて、上にトライしたってすごいと思います。挑戦でしょ。
わははは。そうなんかなあ。しらさぎさんの絵はキャラクター化しやすいタッチやと思いますけどね。用途によりますけど、小さくしても分かるし、いいと思いますよ。
私も使いようによっては、面白く使ってもらえるタッチやと思うんですけど(笑)。でも、いろんな人から依頼が来て、自分の似顔絵が分析できてよかったです。
似顔絵塾に掲載されて自分のタッチが確立
どんな似顔絵を描きたいとかあるんですか?
誰も描いてないような似顔絵を描いていきたいんです。誰も行かないところに自分のポジションがあると思うんです。
しらさぎさんの似顔絵ってニッチなところを狙ってやってるんですか?それとも、もともとそういうタッチなんですか?
うーん。たどり着いた感じです。趣味で描いてた似顔絵を似顔絵塾に投稿して、掲載されたときに、これでいいんだって自信が持てたんです。
掲載されたときが今のタッチやったんですか?
ほぼ今のタッチです。それで、認められた!って勝手に思い込んだんですよ。
いや、本当に認められたんでしょ(笑)。
そうなんですかね。でも、それで似顔絵仲間と知り合うことができて、本当によかったです。どんどん投稿するようになって、取り上げてもらえたんです。
今でも投稿してるんですか?
最近はたまにですね。自分に戻りたい時に(笑)。自分の原動力がここにある気がするので。
あー、似顔絵塾ってそういう場でもあるんですね。
ブログがすべてのキッカケ
私は最初は仕事にしようと思ってたわけじゃなくて、ブログを書いてたら仕事が来るようになって。フリー契約する前もイラストレーターとして仕事してたわけでないので、すべてブログがキッカケなんです。
僕と同じですね。ウェブサイトで似顔絵を公開してたら仕事が来だしたんです。
そう、それって奇跡でしょ! 趣味で似顔絵を描いてたら、こんな可能性もあるよ。っていうのを紹介できたらいいなと思うんです。みんなに夢を持ってもらえるように。
サイトと通じて繋がりが生まれるのは本当に楽しいですね。逆にそれがあるから続けられるんでしょうね。僕はしらさぎさんのイラストは面白いと思いますよ。
でも、中谷さんみたいに、統一感はないかもしれないです。
いや、統一感がないのが普通じゃないですか。僕が統一感があるのは専門じゃないからだと思ってます。専門としてやってたら、自分のタッチにも飽きるだろうし、さらに追求するでしょう。たとえば、好きなイラストレーターや映画監督も、何年の時がよかったな、とかあるじゃないですか。音楽もそうでしょ。クリエイターってそういうもんやと思います。 創作意欲が強い人は変わって行くでしょ。グルっと回って来ることもあるでしょうし、変化すること普通だと思いますよ。 そういう意味で、僕は似顔絵師と名乗るのは恥ずかしい。でも、こんな僕にも一定のファンがいたりするので、それは大切にしたい。
年賀状も毎年描いてますもんね。見てますよー(笑)。
すごい!見てくれてるんですよね。ビックリ!
だんだん豪華になっていくなあと思って。
見てくれていて嬉しいです。
仕事で描くようになった経緯
仕事で描くようになったのはどういうキッカケなんですか?
2008年にオリンピックの選手の似顔絵を描いてコレクションしてたんです。 オリンピックで金メダルを取った選手に、スポンサー企業がお米を贈るイベントがあったんです。そのときに、「選手の似顔絵をプリントした大きな真空パックのおにぎりもプレゼントするので、ブログのような似顔絵を描いてください。」と依頼が来たんです。
すごい、そんな仕事があるんや。誰を描いたんですか?
レスリングの吉田沙保里さん、伊調馨さん、 柔道の谷本歩実さんのイラストを描かせてもらいました。
依頼が来てから描いたんですか?それとも、もともと描いてたんですか?
もともと描いてたんですけど、描き直しました。すごく驚きましたよ。新聞にも載ってね。ビックリです。奇跡ですよ。初仕事がテレビに映って新聞に載ってね。
じゃ、そのタイミングで本格的に似顔絵を描くようになったんですね。それまではフリーのイラストレーター?
いや、違います。イラストが趣味の主婦でした。公募も好きで以前キャラクターで採用されたことも後押しして、調子に乗ってイラスト業を始めることしました(笑)。
席描きにもチャレンジしたい
似顔絵の仕事をするようになって、その後はどうなったんですか?
似顔絵仲間から席描きというものを教えてもらって。自分もやってみたいと思ってチャレンジしたんです。
すごい。僕は席描きは怖くてできないです(笑)。
席描き始めて1年未満で、名古屋の似顔絵楽座(当時は似顔絵登竜門)に出ました。
それって似顔絵の席描き日本一を決める大会でしょ(笑)。めちゃめちゃチャレンジャーですよね。
無謀ですよね(笑)。その時は、どういう絵が喜ばれるかも分からなかったです。
しらさぎさんのタッチは席描きでウケないんですか?
あんまりですね。でも、ファンがいるんです。 京都の舞鶴で席描きをやってたとき、「こんな感じでお願いします」って、私のサイトの似顔絵をプリントアウトして持ってきたお客様がいたんです。「どこからですか?」って来たら彦根って言うんです。
遠方からはるばると、超ファンですね!
ビックリですね。すべてブログです。たくさんの顔と対面して、顔について知りたくなって、人相学を勉強するようになりました。そこには意味があることに気付き、やっぱり鼻は描かなあかん!と。昔は鼻がない似顔絵があったんです。
いいじゃないですか(笑)。
でも、お金いただいて描かせてもらうわけやから(笑)。
似顔絵の描き方
席描きのときは何で描いてるんですか?
コピックで線を描いて、水彩で塗ってます。昔は全部コピックだったんですが、コピックで塗るとインク補充に時間がかかるので。水彩になりました。水彩だと微妙な色が出せますし、いろんなヘアースタイルの方がいるので、慣れると水彩のほうがよくなりました。
席描きはやったことなかったんですよね?現場で描きながら学んでいったんですよね?
最初はたんぽぽさんと一緒に描かせてもらって、勉強させてもらいました。描いてるうちに、自分なりの描き方が出来ていった感じです。
すごいな。席描きのイラストってサイトにアップされてます?
ありますよ。最近は地元中心で、似顔絵の通販を始めました。画像を送ってもらって色紙に描いて納品します。パソコンで描く絵もいろんな可能性があると思いますが、最近はアナログのほうが多いです。どっちもやっていきたいんです。
イラストレーターのパスを勉強中
イラストのお仕事を受けてイラストレーターを使えないと言うとビックリされるので、最近、パスの練習してるんです。
別にいいと思いますけどね。 ソフトは関係ないですよ。逆にソフトを使えても何も生み出せないと意味ないですから。じゃ、パソコンで描く時も手書きなんですか。
Photoshopエレメントでペンタブで描いてるんです。
そうなんですね。イラストレーターで描くと調整が簡単なんです。そういう意味では似顔絵に向いてるんですが、そういう描き方をすると似たり寄ったりになる気がします。似せてからどう自分流を作るかみたいな感じですね。やっぱり一発の線で完結させるってすごいと思うんですよね。
難しいですね。結局、自分の線が欲しいんです。私はなるべく極太系なんです、よけいなものを描きたくないから。
すごく分かります。 太い線にするといらないものを入れられないですからね。でも、太いと成り立たない人も出て来るし、難しいですね。
成り立たなくなりそうなときあります(笑)。
でも、太いと小さくしても分かるしシンボル化していいですね。僕は好きです。だけど、逆にすごく大きくすると粗が見えますけどね。
そう、それはある!
席描きはセラピー、癒し効果がある
席描き中に、話してて緊張がほぐれてくると、しんみりと話してこられる方も多いんです。 似顔絵師って、心のうちを吐き出す場も作れるんだなって席描きをして感じるようになったんです。
どういうことですか?癒しってことですか?
そうです。全然知らない人だからこそ吐き出せることってあると思うんです。お客さまはそういうつもりは最初はないと思うんですが、15分ぐらい話をするわけじゃないですか。世間話をしてる中で、ポロッと本音がでるみたいな。 うまい絵を描くのはもちろん大切ですが、そういうプラスアルファーの要素も席描きにはあると思ってるんです。
「心と体の健康」をテーマに「イラスト+α」な活動をしています。 ってサイトに書いてますけど、それがそういうことなんですね。
そうなんです。どこどこの母みたいなね。占ったり出来ないし、何もアドバイスできないですが、聞くことはできるでしょ。 聞いてもらうだけでもやもやが解消すると思うんです。
なるほど…。そんなこと考えたこともなかったです。似顔絵を描いてるときにいろいろ話してくる人って多いんですか?
私は40才なんですけど、こういう年齢やからかな。世間話してる中で、ポロッと出てくるんです。 たとえば、再婚について悩んでいるとか言われるんですよ(笑)
すごい、本当に相談役なんですね。
一番びっくりしたのが、奥さんの遺影を持ってきて「一緒に描いてください」っていう高齢の男性が来られた時です。まわりのお客さんがびっくりされるので、デジカメで撮影してあとで送ることにしましたが。ずっとブースのまわりをうろうろされてたので、お客さんが引いたときに、お話をじっくりお聞きしました。 「写真で見ると悲しくなるけど、しらさぎさんの似顔絵だったら元気になれる気がする」っておっしゃるんです。 とにかく次のお客さんが来るまで、生前の奥さんの話や亡くなっられてからの話をひたすら聞いて、帰ってからじっくり描かせてもらいました。
すごい話ですね。どんなタッチで描いたんですか?
このときはすでに今のタッチになってました。そうそう!その日ブースでお話して帰られる時、笑ってくれたんです。その笑顔を見たときに、似顔絵師ってこんなことができるんだってすごい嬉しかったんです。
泣きそうになりますね。
不思議なもので、その似顔絵を描いてるときに、なんとなく言葉が浮かんできたんです。 そして、笑門来福って書いたら、電話がかかってきて、実は妻がすごく大切にしてた言葉なんですって言うんですね。
ええっ
私は自分に何かあったとき、必ず亡くなった父親が夢にでてくるんですよ。生きてるときより近くにいる感じなんです。 だからかどうか分からないですが、これだけ奥さんのこと思っておられる方だから、きっと奥さんは近くで見守ってくれてる気がしたんです。というより、すごく心配されてるんじゃないかって感じたので、そのまま伝えたんです。すると、易者さんにも同じこと言われ、信じられませんでしたが、しらさぎさんに言われたら信じられます。って言われたんです(笑)。
すごいエピソードですね。
たぶん、似顔絵師の方はみんな経験あると思うんです。全然知らない人だからこそ言える。席描きってそういう場所なんだと思うんです。だから、パソコンで描く絵とは違うんですが、対面でやることはすごく意味があることって思ってから、アナログな仕事もやっていきたいと思うようになったんです。
だから人相学とかコミュニケーションを勉強してるんですね。
いや、人相学は仕事のために勉強してるんじゃないんです。知りたくなってきたんです。お客様のいいところを出してあげたいんです。
うーん。ちょっと予想外すぎる話ばかりビックリです。
中谷さんはきっと違うことを聞きたいんだろうなと思ったんですが、私はこれが言いたかったんです。席描きのことを分からないって書いてましたし。
そうなんです。全然知らない…。でも、特に聞きたいことを事前に決めてるわけではないので、刺激的で楽しいですよ。
それだったらよかったです。私がいろんな経験をしてきたことで、聞いてあげれる立場になったんだなって最近思います。 だから、癒しの部分も席描きにはあることをお伝えしたかったんです。私にとって「パソコンで描く似顔絵」と「席描きの似顔絵」は全然違うんです。でも、どっちも自分の絵なんです。
似顔絵セラピーの村岡ケンイチさん
実は、中谷さんにお願いがあるんです。 似顔絵セラピーの村岡ケンイチさんという方に是非インタビューして欲しいんです。大阪で大会があるときに講演してたり、セミナーもされているんですが、平日だと私は行けないんです。だから、ぜひインタビューして欲しい。他にも聞きたい人がいると思うんです。
分かりました。ネットで検索して調べてみます。なんかそういう役になってきましたね(笑)。ただ、似顔絵を見て全然気に入らなかったり、遠かったりしたら連絡できないし、逆に断られるかもしれないので、あまり期待しないでくださいね(笑)。 でも、この業界は、みんな全然違うから本当に面白い。イベントも活発にやってるし、横の繋がりもすごいし、特殊なコミュニティだと思うんです。 だけど、僕から見て、関係者だけで盛り上がってる感じがするので、それを外に伝えたいんです。
適任だと思いますよ。
ありがとうございます。 狭い中で、切磋琢磨して、仲間意識もあるでしょ。席描きとアートも全然違うし、日本大会も世界大会もあるけど、そんなことはたぶん誰も知らないですよ。 僕も知らなかったですし。でも、話を聞けば面白いんです。文化的に面白いと思うんです。
面白いですよね。
最近は席描きの人はアピールするために、コスプレしてるわけじゃないですか。 僕はこの名古屋の似顔絵楽座に来て知りましたけど、そういうのも面白いじゃないですか。今回も、似顔絵楽座という大会に来て、しらさぎさんと話して、いろんな発見がありますよ。
シゴトカンは注目らしいですよ。みんな見てるらしいですよ。
ほんとですか(笑)。マイペースでやりますよ。 僕はほとんどの人が初対面だし、こういう性格なので、ニュートラルにズケズケ聞くでしょ。 好き嫌いもはっきり言うし、嫌われても仕方ないと思うけど、でも、似顔絵の価値を正しく認知してもらって業界を盛り上げたいというのは分かってもらいたいですね。 みんなは繋がってるから、暗黙値になってる事が多いでしょ。知らないから質問できることあると思うし、案外それが新鮮なんちゃうかと思って。
面白いですね。
地球を守る物語を構想中
これからはどんなイラストを描きたいんですか?
実は似顔絵以外にも、アクリルでもイラストを描いてて、個展もしてるんですけど、たまにイラストが浮かぶんです。そうするとアウトプットしたくなるんです。
閃くんですか?
そうなんです。実は似顔絵塾の肩書きは「作詞家志望」って書いてるんです。私は物語を作るのが好きなので、ストーリーで人に伝えたいんです。
すごいですね。
実家が田舎なんですが、休耕田(耕作することを休んでいる田んぼ)が結構あるんです。 だから、みんなでお米を作って販売する取り組みをしてるんです。田んぼってほったらかしにしとくと、次回作るときがすごい大変なので、作り続けないと守れないんです。去年は震災がありましたし、自給率が下がったりしてるのを考えると、すでにあるものを守ることってすごい大切だなと思うようになったんです。
深い。
だから、いまは地球を守る物語を構想中なんですが、考えだすと知らないことが多すぎて、取材したいことがたくさん出てきたんです。それで、最近は林業について勉強してるんです。地球を守る大切さをオモシロおかしいストーリーで伝えたいんです。 実家の近くにやせ細った森林があって、山師さんに入ってもらったりしてるので、そういうのも勉強してるんです。
深い。
やなせたかしさんがアンパンマンでメッセージを伝えてるみたいな感じです。こういうことを昔から思ってるんです。10年後までに達成したいんです。でも、経験が必要なので、いろんな経験をしてるところなんです。
すごいですね。 似顔絵の領域で生きてないんですね。ストーリーとかイラストってメッセージを伝えられると思うんです。絵本もそうですけど、言葉がなくてもみんなに伝えられることはありますもんね。 ミュージシャンが音楽でメッセージ伝えるみたいですね。
そうそう。おもしろおかしいストーリーでね。
カッコいい。
いやいや、実現できるかどうか。
頑張れば実現はできますよ!
それには経験が必要だと思うんです。だから、草刈りとかしてるんですが、ほんとうに大変なんです。新しいことを生み出すのは大変なんですが、今あるものを守るのも大変だなって自分でやってみてすごい思います。ボランティア団体にも入ってるので、いろんなイベントにも参加してます。
海を掃除してからダブルダッチ(2本の縄を使って跳ぶ縄跳び)する大会があるんです。変わった大会でしょ(笑)。夏には海ゴミサミットっていうイベントにも参加してます。いろいろ勉強にもなりますし、そこで閃くこともあるんです。
しらさぎさんって本当に変わった人ですね(笑)。
そうですか(笑)。いろいろ勉強して、自分のストーリーに反映したいんです。私は本当に異色だと思います。似顔絵業界とはちょっと離れたところに生息してるんです。
僕と同じですね。僕も似顔絵を描いてるし、多少の収入も得てますけど、ドップリではないんです。
住んでいるところが田舎なので、ちょっと普通じゃないですね。
でも、似顔絵師って普通の人はいないんじゃないですかね(笑)。面白い人ばかり。それがうまく噛み合って何か生まれる可能性がある業界だと思いますよ。
そうそうそう。だから、自分のスタイルは崩さず、それぞれがそれぞれのポジションをしっかりやってたらいいと思うんです。きっと出会えると思うんです。
自分らしい自然な状態でいたら、どっかにはまるかもしれん。
そうそう。そういう奇跡は起きますよ!
ストーリーが完成したら宣伝しますよ。
ありがとうございます。「なんとかせんかい メラレンジャー」って言うんです。
戦隊モノですか。すごい興味ありますよ。いいじゃないですか。楽しみですね。
いつからでもチャレンジできる
いやー、今日はまた全然違う似顔絵の可能性を聞くことができましたよ。席描きは深いですね。今回の名古屋の似顔絵楽座は席描きの人の大会やから、いろいろ発見がありましたよ。そういう人の話もぜひ聴きたいですね。
是非聞いてください。ほんまにいろんな人がいて、面白い業界ですよ。イラストレーターとは違うのは、人と対面してるからだと思うんです。
なるほど。そこは他のクリエイティブの仕事と全く違うことですね。さらにイラストレーターとしての完成度を持ってる人もいますからね。ほんとすごいことですよ。
すごいですよ。これから似顔絵師の人口が増えてきたら、メジャーな存在になってくるんじゃないかと思うんです。
そうですね。その可能性はあると思います。今日はスピリチャルで、思いのほか深い話になりました。
たぶん中谷さんのイメージと違ったと思いますが、私はこういう話がしたかったんです。
正直なところビックリしました(笑)。
実は、30才のときに父親がなくなったんです。そのとき、人はいつか死ぬって実感したんです。だから、やりたいことはやって後悔しないようにしようと思って、挑戦するようになったんです。似顔絵は30才からです。だから、何才からでもスタートはできると思いますね。
そうですね。僕はいろんな業界に顔を出してますが、他の業界の人もこのインタビューを面白いって言うてくれますよ。似顔絵業界って狭い業界だと思うんです。でも、みんな違って面白い。変わった人ばかりですよ。
普通の人やからこそ気づくこともあると思うし、普通の人やからこそ出来ることもあると思うんですよね。
いや、しらさきさんは普通じゃないと思いますけど(笑)。でも、すっごく面白かったです。
私も面白かったです。喋れる人やし、次々質問されるから、引き出されますよ。聞き上手ですね!楽しかったです。
おお、最高の褒め言葉じゃないですか。嬉しいです。是非、戦隊モノのストーリーを完成させてください。その時はまたインタビューしにきますから。
ありがとうございます。
(2012年4月14日 名古屋の公園でインタビュー)
しらさぎさんからメール
先日はありがとうございました! ドキドキしてたわりにベラベラ話してましたが、大事なことを話すのを忘れてました!(おい) メールで語らせてください。
席描き似顔絵についての続きです。
【1】気持ちを吐き出すことができる の補足
悩んでいることをお話されるお客様のほとんどは、もう自分の中に「こうなりたい」という答えを持っておられます。 自分の気持ちを言葉にして出すことは、すごく大事なことです。 ただ気持ちに寄り添ってお聞きすることが、一歩踏み出す「きっかけ」や「後押し」になるのではと感じました。ホント、聞くだけなんですけど。
【2】似顔絵の可能性 その2(話し忘れたこと)
初めて席描きで描いてもらった似顔絵に感動してから描いてもらうことも好きになりました。30才過ぎてからです。 それで気が付いたんですが、似顔絵って「自分に向き合える」「自分を好きになる」「自分を客観視できる」効果もあるな、と。 コレクションは20枚弱。好みのデフォルメ系が多いですが、どれみても「ほお骨系」なんです(笑)!
学生時代、どーにかして削りたい!と真剣に悩んだほお骨ですが、似顔絵のおかげで、今ではとっても愛おしい存在です。 感じ方も、そこにたどり着くまでの過程も、人それぞれですが、言葉では表現できないような何かが「似顔絵」には潜んでいます。 一歩踏み出したいとお考えのときは、ぜひ「似顔絵」体験してもらいたいです。
あとがき
似顔絵のタッチがユルいので、ユルい話になるかと思ったら、まさかこんなスピリチャルな話になるとは。今回は深いです。芝生に座り込んで聞くこと1時間。内容たっぷりです。今まで僕が見えてなかったいろんな可能性を教えていただきました。ぜひ、独自のストーリーを完成させて欲しいです!
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