格闘技をめちゃ愛してる人が「ブレイキングダウンを格闘技として認めない!」って騒いでいる。どの業界も全部同じ。デザインだって、プログラムだって、飲食店だって、学校だって。いつだって本物が評価されるわけじゃない。業界に評価されるホンモノが市場に評価されないことなんてあちこちである。市場評価されているものは、だいたいマーケが上手で中身はそこそこのものばかり。
それは市場の目と業界の目が違うから当然。格闘技は純粋に強さを追求して広がらなかった。それが現実。そして、ブレイキングダウンはエンタメ要素を持たせて広げようとした。実際広がった。強くない人が稼げるようになった。すごいこと。稼ぐことにウエイトを置いた興行だから当然。
若い人がユーチューバーに憧れるのだって、即効性があって稼げそうなわけで。簡単に稼げるなら、人は集まる。でも、その市場の認知度が上がれば、競争が激しくなって、その中で生き残るのが難しくなる。ブレイキングダウンで生き残るのは、強くて発信力がある人になっていくわけで、今後はもう簡単にひな壇に座れないでしょ。そういう意味で、こめおみたいなキャリアパスや、10人ニキみたいなパターンや、強さ以外でタレント力を発揮していく人はさすがだ。
デザイナーだって、デザインの実力はそこそこでも、営業力やマーケ力で稼いでいる人はいっぱいいる。似顔絵師だってそうだ。作品としてもクオリティはそこそこでも、立場を作るのが上手な人もいる。
大衆にでもわかるようなわかりやすいものにしたほうが市場は大きくなるわけで、そうすると素人が増えるわけで、その素人の発言はノイズになることもある。だけど、大衆はみんなが賢いわけじゃないので、人が増えると残念な人も増えるのは仕方ない。そういう状況をホンモノ思考の人は「問題だ!」というわけだけど、ホンモノ思考の人を増やせないホンモノ思考の人自身に問題がある。
格闘技業界はテレビに居場所を作れなかった。だから、ネットという新しい場所で移動して論争を生んでいる。だから、まだまだ発展しそう。大きな流れを描いている朝倉未来ってほんと賢い。YA-MANの興行にでるのもマジでえらい。ギャラはめちゃいいと思うけど、ギャラがよくても受ける必要ないもんね。
テレビで中途半端に居場所がある業界はシフトできないからイノベーションは生まれにくい。微妙にテレビに居場所がある野球とかは10年後どうなってるんだろ。
あと、ブレイキングダウンって不良やヤンキーだった人らの興行で、現役ではない。昔は悪かったけど、そういう人にもチャンスを与えたいってスタンス。だけど、会見で暴れたほうが盛り上がるから暴れる。そして、印象が悪くなるんだな。エンタメとかいっておいて、エンタメとして見れないジレンマ。難しいですね。
エンタメのブレイキングダウン、ちょいエンタメのRIZIN、知られてないRISE。格闘技は勉強になる。
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