和柄を調べていたら、「日本文様」という言葉に出会って、面白かったのでメモしておきます。
日本文様は意味を持つ模様
「模様(もよう)」という言葉は、日本人なら誰でも知っている。水玉やチェック、ストライプみたいに、形があれば「模様」。
だけど「文様(もんよう)」はわかってなかった。文様は、自然の形や身の回りのものをヒントにして、「意味が伝わる形」に整えたもの。願いや考え方を図案として表したもので、美術や工芸の世界では、意味を持つパターンを文様と呼ぶんです。
日本の文様は、かなり昔から使われていて、今から1500年ほど前の古墳時代の埴輪や装身具を見ると、すでに意味を持った形が使われている。
文様は、流行として生まれたデザインじゃなく、呪いや祈りとして使われ、身分や立場を示すサインになり、礼儀や決まりごとの中に組み込まれ、やがて日常の風景に溶け込んでいきました。
この考え方は神道ともつながっています。神道では、自然や万物に神が宿ると考えます。だから文様も、ただの飾りではなく、蛇や水、植物といった自然の力を借りて身を守る「おまじない」のような意味を持っていた。祭りや神社、装束に文様が使われるのも、神と人をつなぐ役割があるから。
文様は、ただの「きれいな柄」ではなく、昔の人たちの生き方や願い、そして神とのつながりまで映し出した、日本文化の痕跡なんです。そして、この文様が鬼滅の刃でも使われているのが面白い。
炭治郎 市松文様

主人公の炭治郎が着ている緑の格子状の服は、市松文様(いちまつもよう)。二色の四角形が交互に配置されていて、途切れることなく続く形から「永遠」「繁栄」「発展」の意味で縁起がいいとされてきた。日本の伝統文様。
市松模様の袴を履いた貴人埴輪
遡ると、埴輪にもこの文様がある。生出塚埴輪窯跡から出土した「貴人埴輪」は市松模様の袴をはいています。埴輪は、当時の人の姿を写したもの。

模様は「この人はこういう立場の人だった」というサインでもあったんです。
歌舞伎役者、佐野川市松
この文様は、石を敷き詰めた形に似ているから石畳文(いしだたみもん)と呼ばれていたんですが、江戸時代中期に、上方歌舞伎役者、佐野川市松(さのがわいちまつ)が舞台衣装の袴にこの文様を入れて広まった。

だから、それ以後は市松文様と呼ばれています。
桂離宮の茶室、松琴亭

桂離宮の茶室、松琴亭(しょうきんてい)にも市松文様が使われています。
2020年東京オリンピックとパラリンピックのエンブレム

2020年東京オリンピックとパラリンピックのエンブレムにも、市松模様をモチーフにしたデザインの「組市松紋」(野老朝雄作)が採用されている。
格子柄は、歴史的に世界中で愛され、日本では江戸時代(1603-1867)に「市松模様(いちまつもよう)」として広まった。日本の伝統色である藍色を使ったこのデザインは、日本の洗練された優雅さや粋を表現している。形の異なる3種類の四角形を組み合わせて、国や文化・思想などの違いを示している。そこには「多様性と調和」というメッセージが込められ、オリンピック・パラリンピックが多様性を認め合い、つながる世界を目指す場であることを表した
https://www.olympics.com/ja/olympic-games/tokyo-2020/logo-design
鬼滅の刃と日本文様
炭治郎だけじゃなく、鬼滅の刃のキャラクター衣装にはみんな日本文様が使われています。禰󠄀豆子は麻の葉文様。中心から放射状に伸びる直線的な構造が、生命力や成長、健やかな発育を現していて。善逸は鱗文様。三角形が連なる模様は、蛇や龍、水の力と結びつき、「邪気から身を守る」という意味を持つ。伊之助は、あえて文様がない。野性味や自然との一体感を強調する意図が感じられる。
こういう意味を知ると、ギンガムチェックの柄にも親近感が湧くから、意味やストーリーってほんとうに大事。


















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