『奇跡のリンゴ』は、青森県弘前市の農家・木村秋則さんが、1980年代から約10年かけて無農薬・無肥料のリンゴ栽培に挑戦し、1990年代初めに成功した実話です。前々から知ってたけど、読んでなかった。空港の本屋で見つけて、買ってみたら予想以上にオモシロかった。
青森は日本有数のリンゴ産地。通常は大量の農薬と肥料が必要とされてきたけど、木村さんは家族の反対を押し切って自然農法を追求し、「絶対に不可能」と言われていた栽培方法を実現しました。
「困難にぶつかっても諦めるな!そうすればきっと道は開ける!」っていうのが伝えたいのかもしれないけど、そういうことは僕はどっちでもよくて、リンゴが出来るまでのプロセスがあまりにスゴイ。そして、この人が、まわりに流されることなく自分の道を貫き通したことがスゴイ!
もちろん本なので美談にしているとは思いますが、ストーリーとして面白い
木村秋則さんは技術者
木村さんはもともとエコな人かと思いきやそうではない。昔は技術者。すぐ合理化を追求してしまうし、損得を計算するタイプらしい。そういう人が、無農薬を達成するために、たくさんの観察をして、たくさんの実験を繰り返して、ある真理に辿り着く。
何もしないのが一番合理的!
面白いですね。
彼とリンゴの関わり方の中から、いろいろ考えさせられました。自然、組織、役割、人との関わり方とか。
この本は批判の意見も結構多いみたいです。だから、ネガティブな口コミも見てみた。だけど、響くものは今のところなかったです。
僕にとっては、農薬 VS 無農薬 が争点ではない。そういう議論は、サラリーマン VS フリーランスと同じぐらい意味ないし、気持ち悪い。物事の評価は1軸ではないし、選択は2択ではない。その場その場で各自が選ぶだけ。正解が1つあるわけじゃない。
この本で共感したのは、彼が無農薬でリンゴを作ったことではなく、それを美味しく、低価格で提供しようとしてるスタンスです。商売としてちゃんと考えてるんです。このリンゴを食べてみたいです。本当にうまいのかな?
奇跡のリンゴ、オススメの本です。

★★★★★