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『葉隠』旧古賀銀行(佐賀市歴史民俗館)|切腹を肯定する本ではなかった

葉隠を身近に感じる

『葉隠』ってよく聞くけどいまいちわかってなかった。侍文化を調べているとき、切腹をどう解説するか調べているときに、『葉隠』を知ったが、「切腹を肯定するような考え方の本」というイメージしかなかった。

知らない土地に行くと、博物館を探す。それで、佐賀に行ったときに見つけたのが、旧古賀銀行(佐賀市歴史民俗館)。ネットには展示情報がなかったので、昔の銀行の建物が保存されているだけと思っていた。でも、立ち寄ったら、2階に『葉隠(はがくれ)』の展示があって、予想以上に長居してしまった。

『葉隠』(佐賀市歴史民俗館)

展示スペースは広くはないけど、パネルが充実していて理解が深まった。切腹を肯定するようなものは全くなくて、武士としてどう生きるか、人としてどうあるべきかという内容。武士道にも通じる考え方で、実に日本らしい価値観だった。

葉隠 維新博メモリアル展示
葉隠 維新博メモリアル展示

『葉隠』は、江戸時代中期の1700年代に書かれた書物。佐賀藩の武士だった山本常朝の話を、田代陣基が約7年かけて書き留めた全11巻の書物でした。

武士としての心構えや日々の鍛錬、主君や仲間への誠実さ、礼儀や責任ある振る舞いなど、「どう生きるべきか」を説いていて、後半の多くは鍋島直茂をはじめとする歴代佐賀藩主や藩士、戦国武将たちの伝記や逸話で構成されています。さまざまな人物の生き方や決断、失敗から教訓を学び、「どう生きるべきか」を伝えています。

でも、佐賀藩で広く読まれていたわけではない。佐賀藩内の限られた武士のための書物で、一般に公開することは想定されてなくて、写本として受け継がれていた。だけど、幕末から明治にかけて藩外へ伝わり、近代になって出版されたことで全国に広まった。

武士道とは死ぬことと見つけたり

1巻に「武士道とは死ぬことと見つけたり」という有名な一節がある。これが「死を賛美する本」「切腹を肯定する本」と言われるようになったようです。でも、「いつでも死ねる覚悟を持って生きれば、目先の損得や恐怖にとらわれず正しい行動ができる」ということを伝えています。

葉隠は佐賀で生まれた思想でした。一方で、同じ佐賀出身の大隈重信は葉隠を時代遅れと考えていて、新しい時代には学問や科学が必要だと考えていた。大隈重信記念館に行ったとき、そう書かれていました。

その後、戦時中には「武士道とは死ぬことと見つけたり」という部分が強調され、軍国主義的に利用されることになったのかもしれない。そういう歴史的背景から、肯定派と否定派がいる気がした。

佐賀市歴史民俗館はレトロな銀行建築も見応えがある。偶然の訪問だったけど、『葉隠』を知る良いきっかけになった。

佐賀には葉隠に関する観光スポットがいっぱいありました。

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