歌舞伎の演目で「連獅子(れんじし)」というのがある。海外での歌舞伎パフォーマンスでも、だいたい連獅子が上演されてる。長い髪の毛をぐるんぐるん振り回すやつ。「The Father and Son Lions」とか「Two Lions」と紹介されていて定番の演目。
歌舞伎の本流と亜流の違い
歌舞伎には、二つの流れがある。一つは、松竹という興行会社のもと、代々続く家系の役者たちが厳格に伝統を守り抜く「本流」の歌舞伎。映画国宝でもあったけど、限られた人しか舞台に立てない特別な世界。歌舞伎という文字さえ松竹が商標を取っている。
もう一つは、劇場や家柄の枠を超えて、海外やYouTubeなどで自由な演出を取り入れる「亜流」とも言える新しいパフォーマンスとしての歌舞伎。今は劇場以外にもいろんな場所があるので、歌舞伎のメソッドを使って世界を熱狂させる表現者が増えている。
本流でも亜流でも欠かせない超人気メニューが「連獅子」。
連獅子のあらすじ
舞台は中国の清涼山にある石橋。牡丹が咲き乱れる聖なる山に、獅子の親子が現れる。伝説では、獅子はわが子を深い谷底に突き落とし、そこから自力で這い上がってきた強い子だけを育てるという「獅子の子落とし」の教えがある。
親獅子はあえて厳しく子を突き放して試練を与える。子獅子は何度も倒れながらも必死に立ち上がり、親の愛を感じてついに力強く舞い上がる。クライマックスでは親子がそろって激しく長い毛を振り、霊獣としての圧倒的な生命力を見せつけながら舞い納める。
この舞踊は能の「石橋(しゃっきょう)」をもとに作られていて、歌舞伎舞踊としては初代市川左團次や五代目尾上菊五郎らによって磨き上げられ、広められたそうだ。可愛い子には旅をさせろとか、この手の話は昔はよくあったけど、最近は聞かないですね。ちなみに、歌舞伎と歌舞伎舞踊は違うそうだ。
連獅子(れんじし)は、歌舞伎及び日本舞踊の演目のひとつ。河竹黙阿弥・作、初世花柳寿輔・振付。明治5年(1874年)5月市村座(当時の名称は村山座)での上演が本興行での初演。歌舞伎の代表的な演目のひとつであり、登場する親獅子・仔獅子の精の衣装、かつら、隈取等は『白浪五人男』の弁天小僧菊之助や『助六縁江戸桜』の助六、『勧進帳』の弁慶、『暫』の鎌倉権五郎景政などと並んで「歌舞伎」のアイコンあるいはステレオタイプとして認知され、デフォルメされた表現が各方面に二次利用されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/連獅子
縁起がいい演目
獅子は邪気を払い、魔を退ける霊獣とされている。さらに、牡丹は「百花の王」と呼ばれ、富貴や繁栄の象徴。獅子が牡丹の中で舞う連獅子は、魔除け、繁栄、長寿を象徴する縁起のよい演目なんだって。
また、物語には「試練を乗り越えて成長する」という意味が込められているから、立身出世や子どもの健やかな成長を願う場にもふさわしいとされている。
連獅子の衣装のこだわり
連獅子の衣装は、めちゃくちゃ豪華で高価らしい。見る人が見れば、その質の高さがすぐにわかるそうだけど、初心者の僕にはわからない。
獅子の神聖さと力強さを表現するために、最大の特徴となっているのが長い毛のかつら。親獅子は「白」、子獅子は「赤」が基本で、この色の対比によって威厳ある親と、若く荒々しい子のエネルギーを視覚的に表しているそうです。
衣装は金や朱色を基調にした豪華な打掛と袴。かなり厚手で重いらしい。胸元や袖には唐草や牡丹など中国風の刺繍が入り、獅子がただの動物ではなく「霊獣」であることを強調している。顔には赤を基調とした隈取(くまどり)を施し、勇猛さと人間離れした存在感を表現。全体として、圧倒的な重量感で「神の獣」を体現している。
最大の見せ場「毛振り」
連獅子の一番の見せ場は、終盤の「毛振り」。長く重い毛を大きく振り上げ、前後左右にブンブンと力強く振り回す。その動きで、獅子の霊力を表現している。
白い毛の親獅子は「威厳と包容力」、赤い毛の子獅子は「若さと闘志」を象徴していて、二人が息をぴったり合わせて振る姿が見せ場らしい。これは単なるパフォーマンスではなく、谷底での試練を乗り越えた生命力の爆発であり、親子の覚悟を身体全体で表す重要な場面なんだそうです。
受け継がれる親子の絆
連獅子のテーマは、「親子」。親獅子が子を谷へ落とすのは、厳しい世の中を生き抜く本当の強さを授けるため。
舞台では、白毛の親獅子が厳格な覚悟を見せ、赤毛の子獅子が必死に食らいついていく。やがて子が親と同じように力強く毛を振れるようになることで、親から子へ「魂の継承」が行われる様子が描かれている。連獅子は、勇壮で華やかな舞踊であると同時に、親子の成長と絆を描いた深い物語。ストーリーを知らなかったので納得した。連獅子の歌舞伎を見てみたいが、楽しめるかは懐疑的です。
歌舞伎と歌舞伎舞踊の違い
注意点は、気軽に見れる海外パフォーマンスや出張パフォーマンスは歌舞伎ではなく、歌舞伎舞踊であるということ。歌舞伎は、物語だからセリフありの芝居だけど、歌舞伎舞踊は、踊り中心でセリフはほぼない。海外では言葉いらない歌舞伎舞踊が多いんです。

















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