金刀比羅宮(こんぴらさん)や旧金毘羅大芝居(金丸座)を訪れる予定なら、その前にぜひ立ち寄ってほしいのが「琴平町立歴史民俗資料館」です。入館料は200円なのに、中身は濃い!特に金丸座という芝居小屋の歴史を深く知ることができます。
琴平町立歴史民俗資料館とは?

資料館は琴平文化会館の中にあります。ここが現存する日本最古の木造芝居小屋「金毘羅大芝居(金丸座)」があった場所。金丸座は移築されていますが、ここで歴史を知ってから金丸座を訪れると、見え方がまったく違う!
古くから信仰を集める金刀比羅宮は、江戸時代には金毘羅講など多く参拝者を集め、門前町は琴平が朱印地・天領であることで取締も寛大で、様々な芝居、相撲、操り人形などの興行が行われた。芝居の興行に仮り小屋がその都度建てられていた(年3回程度)が、当時の大坂道頓堀三座のひとつでもある大西芝居(一説には大阪にあった筑後座とも云われる)を参考にして、1835年(天保6年)に棟上げを行い、翌年完成する。この金毘羅大芝居には江戸、大坂などの千両役者が舞台を踏み、全国にも知られた芝居小屋であり、また富くじの開札場としても使用された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/旧金毘羅大芝居
スタッフの人に「説明しましょうか?」と声をかけられたんですが時間がなかったんです。朝に金比羅山を登って、9時20分ぐらいに入ったんですが、10時にホテルをチェックアウトしないといけなかったんです。でも、少し見学して、これは説明してもらったほうが絶対いい!と思ってお願いしました。
そしたら、それが大正解!説明がすごく面白い!生き字引のような方でした。「これって1時間は軽く必要ですよね?」と聞いたら「5時間はいけます!」っていうので、チェックアウトしてまた戻りました。午後には予定があったので、昼過ぎには出ましたが、もし予定がなかったら、チカラ尽きるまでいたでしょう。
歌舞伎について詳しくないけど、すごく勉強になったし、江戸時代の琴平の門前町はすごく賑やかだったことがわかりました。
相撲から始まった金毘羅大芝居の歴史
昔は祭りがおおきなイベント。しかしお金がかかるんです。だから祭りの資金集めのため相撲を開催して、その利益で祭りをやっていたんです。でも、観客が暴れるトラブルが起きて、治安維持の観点から相撲が中止されて、代わりにはじまったのが歌舞伎。
毎回建物を作っては取り壊していたけど、宝くじでお金を集めて、江戸時代、1835年に常設の芝居小屋を作った。それが金毘羅大芝居。1970年には国の重要文化財に指定されたんですが、文化財に指定されると保存が最優先され、当時は建物の使用が厳しく制限されました。つまり、「使ってはいけない」状態が長く続くんです。
でも、「文化財は保存するだけでなく、生かしてこそ価値がある!」と考えて動く人たちの努力で、1985年から歌舞伎の定期公演「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が再開されることになった。そんなこんぴら歌舞伎が歩んできた道のりがわかる展示物がズラズラっと並んでいて、具体的なエピソードが盛りだくさん。
照明がない時代なので、太陽光が照明。だから太陽が上って沈む動きにあわせて建物が作られていたり、劇場が儲からないからオーナーがどんどん変わっていったり、興味深い話ばかり。

説明を聞くと、展示物の見え方が変わりますね。こちら、中村勘三郎の三茄子。
歴史や文化が好きなので旅行に行くと郷土資料館には必ず行くけど、一番面白かったです。ガイドの話が面白すぎて写真をあんまり撮ってなかったのが残念ですが、観光客に毎回あんなに説明してるわけじゃないので思うのでラッキーでした。感謝!
歌舞伎にも興味を持ちました。
江戸時代に栄えた象頭山
展示スペースは小さいですが、地元の伝統的な生活道具や農具、民具が並び、昔の琴平の暮らしも学べます。

琴平山の正式名称は、象頭山(ぞうずさん)。その象頭山に向かう地図(上下逆です)には金毘羅に続く金毘羅街道(丸亀、多度津、高松、阿波、伊予・土佐街道)が描かれてます。
江戸時代は江戸や大阪からも人がやってくる人気の観光地。瀬戸内海を船で移動した。小さい船は瀬戸内海を移動するほうが安全だったんでしょうね。高松、丸亀には城もあって栄えていたのがイメージできるけど、多度津も栄えていたそうです。四国ではじめて電車が走ったのは多度津だそうです。なぜ発展できなかったのか?
船が大きくなって、船の航路が変わったのか?浅いところに船が乗り付けられなくなったのか?象頭山より魅力的な観光地が増えたのか?
金毘羅大芝居(金丸座)とは?
そんな話を聞いてから金毘羅大芝居に行きました。
徒歩5分ぐらいです。

1976年に移築復元された日本最古の芝居小屋。移築の際にも回り舞台や花道、奈落なども忠実に復元されていて、当時の雰囲気をリアルに感じられます。入場料は500円。



現在も芝居小屋として使われているけど、公演期間以外は見学可能。中に一歩足を踏み入れると、タイムスリップしたような感覚になります。カッコいいです。



地下や裏側まで詳しく見れる。
希望すればガイドもしてくれるので、ぜひ説明を聞きながら見学してみてください。
奈落とか回り舞台という名前をはじめて知ったけど、驚いたのは人力なこと!

天皇陛下が観劇されたときに使った座布団が、今も2階にそのまま残ってて、ちょっとした観光スポットになってます。
歌舞伎に詳しくなくても、建物の価値や雰囲気を楽しめる。歴史や文化に興味がある方には特におすすめです。

- 琴平町立歴史民俗資料館
- 旧金毘羅大芝居(金丸座)
- 金刀比羅宮の参拝
この順番がオススメです。また香川県に行くことがあれば、琴平町立歴史民俗資料館に行きます。そして、歌舞伎を見に行ってみようと思います。
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