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プロボノ中間提案!クライアントが感動してくれた!

NPOサポートハウスじょむへのプロボノ中間報告

本日はプロボノの中間提案が15時からありました。フットサルの後は、一回家に帰ろうかと思ったが、体に負荷をかけたかったので、皇居を10Km走ってから向かった。

プロボノ中間提案とは?

中間提案とは、今までのヒアリングを元に今回のリニューアルの提案をすることです。簡単に言うと、提案。今までの稼動はヒアリング。コミット率が低いとはいえ、通常の仕事ではここまで事前の情報収集に時間を割くことはない。

プロジェクト開始から2ヶ月半も時間を使ってる。10人以上の人に現状分析のためヒアリングをした。これはサービスグラントのプロジェクトの特徴で、ボランティアだからこそできる。

会社だと稼動の費用を考えないといけないので、提案前に数ヶ月使うことなんて絶対できない。そんなわけで、本日は1つの節目の中間提案日。パワポの資料をプロジェクターで説明する。

ちなみに、僕らのグループの提案は他のプロジェクトと少し違うらしい。何が違うかというと、サイトリニューアルというより、ビジネス改善案に力を置いた内容なのだ。僕がPMだから仕方ない。

サイト改善ではなくビジネス改善案

僕はプロジェクトのオファーをもらったときから、サイトを変えてもあまりNPOの実態は変わらないだろうと思っていた。これはNPOに限らない。一般企業もそうだ。

ポテンシャルの高い会社で、認知度だけが低いのであれば、宣伝すればいいが、ほとんどの場合、そんな組織はない。サービスに問題があったり、組織に問題があったりする。僕はここ最近は会社では組織の改善ばかりしている気がする。

去年、会社でECサイトをリニューアルを担当したときも、いろいろ調べた結果、このECサイトは必要ないんじゃないですか?という結論に至ったことがあるが、そのときも、ウェブサイト以前に検討すべきことをお話した。みんなウェブサイトに過度の期待をしすぎてるのだ。

そういう現実を知らないでサイトを作るのと、地に足をつけてサイトを作るのは全く違うし、制作工程でのお客様の意見や態度も変わる。今回、実態調査した結果、お客様の運営体制を強化しないといけないのは明白だった。

運営体制がないのに、宣伝して問い合わせが増えても困るのだ。一方、助成金が取れていない本年度は運営資金も厳しい。ムリをしている箇所があった。だから、このままでは継続できないと感じていた。

なので、ビジネス視点がないと組織は運営できないということを理解してもらうために、現状の課題と、ビジネス改善案を盛り込んだ。

改善案は5つ

1.ミッションと収益の分離

NPOサポートハウスじょむへのプロボノ中間報告

NPOとして、ミッションとして取り組むべきものがある。その活動は採算を度外視してもいい。

一方で、運営資金となりえる活動もなければいけない。もしそれがなければ、助成金とカンパに頼ることになる。自分たちで運営資金が集められない活動もあると思うが、じょむにはお金を集める力があると考えていた。

ただ、実際はミッションと収益がごちゃごちゃになっていた。だから収益事業の話をしているのに、それは相場より高いとかいう意見がでる。なので、ミッションと収益の分離を提案した。

具体的には、カウンセリングと自己尊重トレーニングはミッション、ファシリテーター養成講座は収益事業という感じだ。収益事業は組織運営のためで、それは確実に稼ぐ。稼いだお金は利用者に還元されるのだ。

2.会員の種別の現状

維持会員という制度でカンパを募集しているが、そのお金が何に使われるかが不明瞭。

また、維持会員は講座割引があるので、割引券として維持会員になっている人がいた。そのため、会員の割引制度を廃止して、講座割引を望む人のために、5回と10回の割引クーポンを発行することを提案。

また、維持会員が増えれば増えるほど、じょむのカウンセリング料金が安くなることを提案した。組織ミッションのために、会員のお金は使われるんです。ということを明確するべきだ。

3.料金の見直し

3つめは料金改定。難しいことを理解しつつ提案した。

カウンセリングはミッションなので相場より安くてOK。自己尊重トレーニングは2時間1000円を2000円にする。根拠として他の講座の料金一覧を紹介した。

初めての参加者には割引制度導入。できるだけたくさんの方に利用していただく。ファシリテーター講座は収益事業なので、年間に何回行うか事業計画として決める。

4.企業提携

企業提携は現状は難しい根拠を示した。助成金が取れたら、体制を作って組合へ営業することを提案。組織を安定化させる前に、拡大することは避けたほうがいい。

5.ドキュメント作成の効率化

手作業で頑張って作ってるドキュメントの効率化を提案。印刷コスト、ファイリング稼動を減らせば運営は楽になる。最後に2年間のマイルストーンを説明。こんな感じの提案でした。根本的な部分も多いので、簡単には変えれないだろう。でも、持続するためには避けて通れない見直しだと思っている。

たぶん、資金難に苦しむ団体はみんな同じような問題を抱えていると思う。検討していきます。という運営委員の方々の姿勢はきっと改善の方向に向かうと信じている。

ウェブサイトの改善

肝心のウェブサイトだが、あっさりとした提案になった。テーマは集中と選択。出すものは出すが、出さないものは出さない。運営体制のキャパに限界があるので、過剰な宣伝は今は不要だ。お客様自身が打ち出したいと言っていた企業提携などは出さない方向で考えている。

そして、ターゲットは女性の講座利用者がメインターゲット、次にカウンセリング利用者とした。収益安定のためだ。ウェブサイトで今回行う一番大きい部分はWordpressでのシステム化だ。彼ら自身が運営できるようにして、後は頑張って運営してもらう。ウェブサイトに終わりはない。その土台作り。

そんなこんなで中間報告は終わった。大幅な改善提案にもかかわらず、大筋は同意のようだった。10月から今期の彼らこの内容のどこまでを取り入れられるかは分からない。ただ、言うことは言った。

最後に、ビジネスレイヤーに踏み込んだことにお礼を言われた。サービスグラントとしてはスコープ外だが、僕はいつものように自分の正しいと思ったことをしてしまった。誰からも共感が得られなくても自分で判断して実行したと思う。本当に普通の仕事と同じだ。

ウェブ屋はサービス業。求められているものを提供するだけ。何を求めているかはお客さんと話してから考える。それを自分で判断するため、僕はPMをやってる。今回はメンバーと密なコミュニケーションがなかなか難しく、勝手にやってる部分があって、そこがすごい気になっている。個別では時間を取ろうとしているが十分ではない。しかし、業務外でやってる以上、ある程度仕方ないと自分に言い聞かせる。

WordPressのワイヤーフレーム

あとは、本来のミッションのウェブサイト作りをするだけ。スコープを現実的にして進めます。もうサーバーの契約はしたし、Wordpressにはほぼすべてのページの原稿も登録済み。

WordPressをワイヤーフレームとして使ってるので、スムーズに行けば、スタイルを変えて出来上がりなのだが、そんなに甘くないだろう。

NPOサポートハウスじょむのワイヤーフレーム

今後の肝はデザインなので、デザイナーと運営委員の打ち合わせをセッティングした。後は本日のフィードバックを待ちます。年内には終わらせたいな。デザイン次第だな。

サービスグラントの公式ブログ

「正直ここまで踏み込んでもらえるとは思わなかった」――。

セクハラ・パワハラ被害者へのカウンセリングや、女性向けのコミュニケーション講座を行うNPO「サポートハウスじょむ」の高山直子さんは、サービスグラントのプロボノチームからWebサイトの改善提案を受けて、感激のあまり、少し涙ぐむようにこうコメントを残しました。

メンバーの本気が伝わる、中間提案