オシムの本は面白いから見つけたら必ず読む。新鮮さはなくなったけど、気になったところが2箇所あった。
かつてトップ下の位置に強くこだわっていた中村俊輔でさえ、「どこでも対応する準備ができている。監督の要求に応えるのが一番」と答えるようになった。海外を含む、様々なチーム、監督の下で積んだ経験が、複数ポジションをこなす柔軟性と自信につながったのだろう。
P67
こういう文章を読んで、確かにポリバレントが必要だとも思う。ふむふむと思う気持ちはある。しかし、ふと思うときがある。こういう発想っていいことなのか、悪いことなのか?
もし、中村俊輔がトップ下にこだわり続けていたら、ものすごいトップ下になったかもしれない。
日本の教育は弱点を克服する教育。弱点を無視して、長所を伸ばす教育に惹かれる瞬間がある。最近思うのは、自分を殺して組織に貢献するモチベーションは美しい反面、個が弱くなってしまう気がする。強烈な個性は協調性の中からは生まれない。
誰かを「不要だ」などと言う人間は、いつか自分もそういう立場に陥るようになる。人生とはそういうものだ。その時、自分がどう感じるか、考えてみるがいい
P75
それぞれのベストを出してもらう。それが自分から見て低いパフォーマンスだとしても、その人にとってはベストかもしれない。100mを10秒で走るのが当たり前な人が、100mを全力で走って20秒の人を無能と思うか?
自分のステージを客観的に見る必要がある。すごいサッカーがしたいなら草サッカーでなくプロになれ。すごい仕事がしたければそれなりの場にいけ。もしくは作らないとあかん。
どういうステージでもその人がその人の価値基準でベストを尽くしているかが重要。もちろん、目的があまりにも違う人との共存は難しいが。
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