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西宮・越木岩神社|甑岩を祀る磐座信仰

阪神西宮から、鷲林寺行きのバスに乗った。高校のときの通学路。懐かしい風景。越木岩神社(こしきいわじんじゃ)に向かうため、はじめて「越木岩神社前」で降りた。

越木岩神社のバス停

越木岩神社は、岩が神

人気のない住宅街。しばらく歩くと見えてくる。鳥居をくぐって表参道を進んでいくと、空気が変わる。パワースポットらしい。

でも、ここが目的地じゃない。左脇からさらに奥に進む。

越木岩神社は、岩そのものが神。御祭神じゃなくて御神体。社殿が主役じゃない。ご神体は、甑岩(こしきいわ)という巨大な岩。しめ縄が岩や木、境内のあちこちに張られていて、「ここから先は、神の領域」という線が、目に見える形で引かれている。

甑岩(こしきいわ)

神道の原型に近いスタイルで、磐座信仰(いわくら)と言うらしい。山、岩、滝、森など、人が作ったものじゃなく、自然そのものを神が宿る場所として拝む。

本殿の奥に進むと、緩やかな山道が続き、越木岩神社のご神体「甑岩(こしきいわ)」が現れる。高さ約10~12メートル、周囲約40メートルもある大きな岩。「岩を祀っている」というより、「岩の前に、神社が後から作られた」感じ。沖縄の斎場御嶽みたい。日本に古くからある自然崇拝(精霊崇拝・アニミズム)って通じるものがあると思う。

泣き相撲

相撲の土俵があるんだけど、越木岩神社には泣き相撲という行事がある。

越木岩神社の泣き相撲

赤ちゃんの健やかな成長と厄除けを願う神事で、「泣く子は育つ」「泣いて邪気を払う」という考えに基づき、赤ちゃんを抱いて土俵に上がり、泣いたほうを「勝ち」とする形式。勝ち負け自体に意味はない。幼馴染も、子供が生まれたときに連れていったらしい。そういえば、小さいころは相撲大会があって、みんな相撲していた。俺は弱かったけど、今はもうちびっこ相撲ってないのかな?

大阪城築城で甑岩を使おうとしたエピソード

もう1つ、この甑岩の面白い伝説が書かれていた。大阪城を築くとき、当時の有力者たちは良い石材を集めるために各地の石を探して回った。甑岩もその候補に挙がり、岩を切り出して大阪城の石垣に使おうとしたそうだ。

でも、岩を割ろうとノミや槌を打ち込むと、岩の割れ目から白い煙が立ち上り、やがて色を変えながら勢いよく噴き出したという。作業していた職人たちは熱気や霊気のようなものに圧倒され、次々に倒れてしまい、結局石を取り出すことができずに断念した。

境内には実際に、石に刻まれた刻印や矢穴の跡が残っていて、かつて石を取り出そうとした痕跡が見える。

甲山高校に通う通学路には「夫婦岩」という大きな岩があって、夫婦岩を迂回するように道路がある。岩を動かそうとすると災いが起きると言い伝えられていて、いまも岩を避けるように道路がある。西宮は石の話が多い。石のパワーが強いみたい。