漁港には、そこで働く人たちの胃袋を支えるための肉料理の店が多い。安くておいしい店が揃っているけれど、築地にも有名な牛丼の店がある。それが「きつねや」だ。
いつか行ってみたいと思っていたらたまたま機会があったので立ち寄った。平日の11時前に到着したときには、すでにとんでもない行列。並んでいる人と食べている人が路上に溢れかえっていた。客層を見ると日本人はほとんどいなくて、外国人旅行者ばかり。正直、見渡しても特別おいしそうに食べている様子はあまり見受けられず、実際の味はどうなんだろうと思いながら列に加わった。ただ、列は長くても回転はかなり早い。
この店、実は昭和22年(1947年)創業の老舗。もともとは酒好きだった下駄職人の初代店主が、自分の酒の肴として考案したホルモン煮が評判を呼び、市場で働く人たちの溜まり場として始まったらしい。店頭の大きな鍋でグツグツ煮込まれている光景は、戦後から続く築地の名物風景なんだとか。
30分ほどで注文の順番がきた。メインメニューは牛丼とホルモン丼で、どちらも900円。じわじわと値上がりしているようで、いわゆるインバウンド価格といった感じ。支払いは現金のみ。周りを見ると肉豆腐を頼んでいたり、卵をトッピングしている人が多かった。



初めてだったので、無難に牛丼を注文。ご飯は熱々で、味も普通においしい。ただ、歴史ある名店だとは分かっていても、本音を言えば「これなら吉野家でもいいかな」というのが正直な感想。
あの活気ある雰囲気や歴史を味わいに行くのはいいけれど、牛丼そのものへの期待値を上げすぎると、少し拍子抜けするかもしれない。



















コメントを残す