医師・産業医・経営学修士(MBA)である著者。活気のある職場にならない原因をロジカルに説明されていて、面白かったです。おすすめです。
冒頭に、こう書かれています。
組織の病を解消し、「良い人材が健全に定着する組織」を作るために必要なのは、まず、向き合うべき対象を絞ることです。本当に注目すべきは次の2つ。
- 「プラスの感情」ではなく、「マイナスの感情」
- 「最も優秀な人」ではなく、「ポテンシャルが高い人」
最初はピンときてなかったのですが、読み終わったときには腑に落ちてました。会社組織で悩んでいる方はぜひ読んでみてください。
ちなみに、自分メモとして、なるほどと思った点も書いておきます。
Table of Contents
プラス感情よりマイナス感情が大事
人は、会社や組織に対して「マイナス感情」と「プラス感情」を持っている。マイナス感情はずっと残るが、プラス感情は一時的な効果しかない。だから、マイナス感情を放置して、プラス感情を増やそうとしても根本解決はしない。逆に、社員はシラけたり、最悪ぶら下がりを増やしてしまう。
同じように、離職対策によって、ますます会社がだめになっていくことがある。消極的定着がうまれ、ぶらさがり社員になっていくことである。
組織満足度のフェーズ
人の組織に対する満足度は以下の3つのフェーズがある。
- 働きがい
- 働きやすさ
- 心身コンディション
「働きがい」がないと、積極的な離職(もっと向上したいから辞める)を生み、「働きやすさ」がないと、消極的な離職(嫌だから辞める)を生む可能性が高い。
14の労働価値(ドナルド・E・スーパー)
人によって、時期によって、求めるものは違う。社員が求めるモノと、雇用主が与えるモノのズレが、マイナス感情の要員になりえる。
- 能力の活用―自分の能力を発揮できること
- 達成―良い結果が生まれたという実感
- 美的追求―美しいものを創りだせること
- 愛他性―人の役に立てること
- 自律性―自律できること
- 創造性―新しいものや考え方を創りだせること
- 経済的価値―たくさんのお金を稼ぎ、高水準の生活を送れること
- ライフスタイル―自分の望むペース、生活ができること
- 身体的活動―身体を動かす機会が持てること
- 社会的評価―社会に仕事の成果を認めてもらえること
- 危険性、冒険性―わくわくするような体験ができること
- 社会的交流性―いろいろな人と接点を持ちながら仕事ができること
- 多様性―多様な活動ができること
- 環境―仕事環境が心地よいこと
人材は5つに分ける
- 優秀 10%
- ハイポテンシャル 10%
- 立ち上がり 10-20%
- 普通 50-60%
- ぶら下がり 0-10%
離職対策は以下の順がよい
- ハイポテンシャル
- 立ち上がり
- 優秀
- 普通
- ぶら下がり
優秀な人はどうしても辞めちゃうので、プライオリティが少し低い。
組織活性が失われているプロセスは「定着スコア」と「満足度」で以下4つに分ける。ぶら下がりが最悪状態。
- パラダイス
- ステップ
- 荒野
- ぶら下がり
「満足せずに、定着しない(荒野)」よりも、「満足せずに、定着する(ぶら下がり)」のほうがタチが悪い。
ロジカルに考えると面白い。これもマッチングですね。
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