1983年に発売された「1分間マネージャー」。累計2000万部売れたそうです。社会人なりたてのときに上司に読まされました。
あんまり内容は覚えてなかったけど、「読んでよかった」と思った記憶がありました。その本が2015年にバージョンアップしていました。タイトルは「新1分間マネージャー」。1983年から2015年だから34年も経ってます。ちょっと気になって読んでみました。
「1分間マネージャー」という本は、マネジメントを学びたいマネージャーが「1分間マネージャー」という人物に出会って、マネジメントの秘密を学ぶ物語です。
物語の前提として、まず2種類のマネージャーがいます。
剛腕マネージャーか、やさしいマネージャー
1人は「剛腕」マネージャー。結果重視で独裁的と呼ばれ、組織は成功するけど働く人は成功できず。
もう1人は「やさしい」マネージャー。人物重視で民主的と呼ばれ、部下は恵まれているが、組織は成功できずにいる。どちらのマネージャーもよくないと思った主人公が、「1分間マネージャー」にマネジメントの秘訣を教えてもらうんです。
それで、マネジメントのポイントは以下の3つというのが結論です。
マネジメントの3つのポイント
- 1分間目標
- 1分間称賛
- 1分間叱責
目標をしっかりたてて、いいことは褒める、悪いことは叱る。とてもシンプルな内容です。それを物語で説明しています。(1分間というのは、時間をかけずにという意味です。)
「新1分間マネージャー」になって何が変わったのかというと、大きな流れは全く同じなんですが、物語が微妙にかわっていて、より読みやすくなってます。そして、興味深かったのは、
1分間叱責→1分間修正
- 1分間目標
- 1分間称賛
- 1分間叱責→1分間修正
に変わっていたことです。叱る部分の表現が変わっているんです。あと、目標を立てる部分も、昔は上司が目標を立てるような感じでしたが、新しい本では上司と部下が一緒で決める感じです。組織がトップダウンからフラットになってきた時代背景を反映しています。
日本だけでなく、世界的に、怒ることはタブーになってきてるんだなあと思って、英語版を調べてみると、
- The First Secret: One Minute Goals
- The Second Secret: One Minute Praisings
- The Third Secret: One Minute Reprimand -> One Minute Re-Directs
やはり叱る部分の表現が変わっていました。
本の内容は目新しいこともないし、当たり前のことなんだけど、振り返ると案外できてなかったりもするので、読んだことなければおすすめです。
個人的には、マネジメントについてのベストセラー本が、34年経って変わった部分が面白かったです。
性善説が前提
最後に注意点ですが、この本に出てくる人たちは、仕事にモチベーションを持っていて、性善説で、話せばわかる人たちです。でも、実際の組織では、悪い人や、ずるい人、モチベーションがない人や、ロジカルな話が通じない人もいるので、そのままでは通じない部分もあると思います。でも、大きなコンセプトは共感できる内容です。
短い物語なので、興味ある人は読んでみてください。
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