今年もつなぐ人フォーラム
今年もつなぐ人フォーラムに行きました。このイベントは「つなぐ」というキーワードに興味ある人たちが150人ぐらい集まって、山梨県清里で2泊3日を共に過ごし、いろいろなワークショップを行うイベントです。去年もつなぐ人フォーラムに来たので、2回目です。
イベント主催者の川嶋直さんが、イベントを開催する2種類の方法を説明していた。
- 柵をつくって、イベントの内容を明確にして募集する方法
- 中心に噴水を置いて、ここが中心ですよ。と示して募集する方法
このつなぐ人フォーラムは後者。「つなぐ」というキーワードしかない。どんなイベントかよくわからない。その結果、予想外の広がりをみせている。いろんな人がいます。
去年参加して、すごい楽しかったのだが、こういうイベントは自分が何者かが明確に示せたほうがいいと思い、来年は絶対何か発表しようと思っていた。
去年は、つなぐラジオっていうのをやりたいと思ってたけど、結局できてない…。発表するものを搾り出した結果、スーパーコンシューマーの取り組みを発表することにした。ちょっと他の人とスタンスが違うんですが。10分もらって、プレゼンした。
クリエイティブは遊びから生まれる
これからはアフター5と放課後の力が世の中を作る!クリエイティブは遊びから生まれるんです。
そんなプレゼンをした。反響はすごくよくて、いろいろな方に声をかけてもらったし、感想もたくさんもらった。

でも、自分のプレゼン能力の低さを痛感しました。
1. 準備しないと時間配分がダメ
まず、時間配分がめちゃくちゃ。僕はプレゼンの準備を全くしない。準備して、予定したとおりに進んでいくと面白くない。だから、大きな流れだけ決めて、後は流れに任せる。だから、今回も行きの電車で資料を完成させて、話の大枠だけ決めてた。
しかし、やっぱり、ここぞでは準備しないとダメですね。10分では説明しきれず、話が盛り上がってきたところで時間切れ…。
2. 声が小さい
もう1つ残念なことがあって、これがすごい悔しいのだが、声が小さかった。
久しぶりに大勢の人の前で話して、緊張した。だが、マイクを使わず、離れた人に何か伝えるときは、腹から声を出さないとダメ。全くできなかった。
区切りのない1つのフロアで、3人が同時に10分プレゼンをやるんですが、反対側のスピーカーの声のほうが大きかったりするのです。いつも声がデカいと言われるので、まさかそんなことになるとは思わなかった。
つなぐ人フォーラムには、ガイドの仕事をしている人も多く、みんな人前で話すことに慣れている。ガイドは屋外で話すことも多いでしょう。話し慣れの差がすごいありました。
客観的に分析すると、僕は20人程度の人に対して座って説明するのは慣れてますが、100人以上の人に、立って話するのはまだまだ慣れてないんだなと思います。慣れていこう!
しかし、それにしても、みんなからの感想はすごいパワーをもらいました。
プレゼンにいただいた感想
- マジックテープを手帳につけるのが面白かった。自分の作りたいものを作りたいように作ったのはすごく良いと思った。
- とても共感を得ました。アフター5の時代、その通りだと思います。
- 面白い!もっと聞きたい!
- えらい!!すばらしい!!がんばれー!!
- 文具王手帳めっちゃ欲しいです!
- 非常に面白い取り組みで参考になりました。
- ロングテールの先っぽで競合がいないところを目指すというのはナルホドです。ニッチなところを深堀するのは面白いですね。
- ニッチという企業が目をつけない(外す)ところで、楽しく活動してるところが素敵です。
- 欲しい商品は気づきとユーモアですね!作る人がわくわくする仕事は最高ですね
- スーパーコンシューマーをはじめよう!と思われた経緯が共感もてるものでよかったです。ちょっと欲しいと思える商品(手帳)でしたが、あまり売れてないようで残念でした。でも、これからきっと売れます!!マニアックってとても大切です!
- 共感、実験応援します!
- 日ごろ仕事していて、何か楽しくないなあと思う日々が続いていたのですが、話しを聞き、楽しくなるかどうかは自分次第なんだと痛感しました。
- テーマから、こんな内容と思わずすごく良い意味でよかったです。
- わかる!大共感なのが、これからは「アフター5と放課後の力が世の中を作る」です!
空中ジーンズ工場
ちなみに、この「アフター5と放課後の力が世の中を作る」は「空中ジーンズ工場」という本の糸井 重里さんの言葉を参考にさせてもらっている。
とても楽しく拝見しました。これからの世の中は、放課後と帰社後のパワーが動かしていくのだと思っています。
https://kimama-labo.com/jeans-mania/
プレゼンのリベンジ
たくさんのパワーをもらい、不完全燃焼で悔しかったのでスタッフにお願いして、2日目にも45分の時間をもらって、プレゼンしました。図々しい
急にエントリーしたにも関わらず、10人ぐらい参加してくれて、なんとか伝えたいことは伝えました。そのときの資料がこれ。2日とも同じ話じゃ面白くないので、1日目の夜に資料をバージョンアップしました。
スーパーコンシューマーのサイトはこちら
話しただけで40分ぐらいかかって、残りは質疑応答となった。この日もみんなに楽しんでもらったようだけど、やってみると次の課題が見える。やっぱワークショップにしたかった。
その場で、参加者同士の交流を生まれさせたかった。45分でワークショップは難しいけど、他の方で、果敢にチャレンジしている人もいたんです。すごいです。
その後、手帳が少し売れました(笑)。やっほー
ファシリテーターに興味津々
今回、他の人のワークショップを受けて、その内容よりも、話し方やファシリテーションの仕方ばかり見てしまった。だから、内容が全く頭に入ってないときもあった。
話し方、間、声のトーン、ジェスチャー、話の振り方が大事
先日、ファシリテーター養成講座を受けた。そのとき、ファシリテーターは、黒子に徹して、みんなをゴールに連れて行く、のが大切だと受け止めた。
今回、いろんなワークショップに参加して、ファシリテーター能力についてまた考えた。他の人と雑談してたときに、あるグラフィックデザイナーはこう言ってた。
ゴールをミッションとするファシリテーターは経験上あまり好きじゃない。そうじゃなく、その場の全員に信頼されることが何よりも重要だ。
なるほどな。と思った。居心地の良さを提供する。そっちのほうが重要かも。ファシリテーターは2種類ある。ビジネス会議でのファシリテーターはゴールに誘導する。クリエイティブなファシリテーターはゴールは明確にせず、その場の力を最大化させる。その場合、ゴールではなく、プロセスが大事なのかもしれない。こういう場に来ると痛感する。
自分は何者で、何ができるのか、何をしてるのか?
イベントに来る人は何かを持っている。ウェブディレクターです。しか言えないときは、すごく自分がちっぽけに感じる。それはCMSビズでも感じるし、自分で地に足つけて動いている人の集まりではいつも痛感する。
社会問題解決もAIDMA
てな感じで、今年もいろいろな気づきをいただくことができました。残念ながら今回でこのイベントは一旦終了で、来年開催されるか分かりません。だけど、開催されたら参加したいです。

今年は残念ながら雨、清里から富士山は見えませんでした。
以下に印象に残ったことを残しておこう。
社会問題を認知させ、最終的にアクションさせるまでのプロセスは 広告と同じ。AIDMA。UXDの態度変容も同じだと妙に納得した。
イン神山プロジェクト 西村佳哲さん
経済産業局が町おこしに「デザイン」の重要性を理解して、西村佳哲さんチームとプロジェクトをやってる。その1つがイン神山プロジェクト。地方がこういうことをやってるのがすごい。西村佳哲さんはゆったりとした空気の人で、彼の本を読んだことをキッカケに僕はこのイベントに参加している。
彼のサイトはこちら。西村佳哲 – Living World
こういうイベントに来ると、「デザイン」という言葉の重みを感じる。僕はデザインとは「アイデアやグラフィックで問題を解決すること」と定義しているが、残念ながら、作り手のカッコいいものを作ることにこだわって、問題を解決しないデザイナーが多い。
この手の話は問題解決に携わっている人の中ではえらい盛り上がる。デザイナーは是非その力で問題を解決してほしい。
R水素 greenz
水を分解して生まれる水素をエネルギーとして利用する試み。有限資源に依存して無益な争いをするなら、無限資源を利用してエネルギーを作ろうという動きだ。リサイクルすることで環境保全。greenzのプロジェクトです。相部屋だった人が関係者だったので、海外事例などを聞いたけど、面白い。
自宅のプロバイダを切り替えるみたいに、各家庭が電力を切り替えられる国もあるそうだ。今年はソーラーパワーにしよう、みたいな。ライフラインと競争原理がどう成り立っているのか、興味深い。
詳しくないので、勉強サイトを教えてもらった。
- 「R水素」は未来の話じゃない!ロラン島から学ぶ再生可能エネルギーとまちづくり
- R水素ネットワークが見ている未来
- 国連大学での18分間のプレゼンテーション http://rh2.org/2010/04/26/rh2_presentation_worldshift/
広告と環境の共存 川廷昌弘さん
全く関連しそうにない「広告」と「環境」のキーワードで活動している川廷昌弘さん。博報堂DYメディアパートナーズで働きながら、このイベントの運営委員も務めている。帰り間際に話す時間があったので、会社の仕事と環境問題への取り組みの線引きなど聞いてみた。
会社に理解してもらうにはやはり時間がかかったそうだ。今でも厳しい状態は変わらない。ただ、外部に評価されてきたことで、内部からの見られ方も変わった。とおっしゃってた。
聞いたことある話だ。そういうもんなんやろね。真摯に積み重ねることが、予期せぬ何かを生みだす。損得だけで生きてると、そういう価値観でしか人は集まらない。純粋な気持ちやピュアなビジョンがすごい価値を生むこともある。仕事ってそういうスタンスになっていくような気がする。ビジネスとしての短期利益の追求と将来に対する種まき。種まきは金にならないときもある。
環境問題でお金が動くときがきたら、先行して動いているここに来てるような人たちは強い。社会問題と広告業界なんて結びつかなかったので、おもしろい。
greenz 兼松さん
greenzのサイトは前から知ってたが、中の人と話したのは初めて。いろいろな取り組みが非常に興味深い。
今回来ていた兼松さんはプロボノ先輩、元ウェブ屋さん。属性が僕と似てる。ちなみに僕のプロボノの活動はこちらです。
活動拠点を世界に10箇所作る、など共感するビジョンが多く、確実に前進してる様子。刺激を受けた。
町おこし 田北雅裕さん
残念ながら話す機会があまりなかった。だが、とても印象に残っている人に田北雅裕さんがいる。
九州の杖立温泉という、人口200名の難易度が高い町おこしを、実際に移住してやりきった人。
田北雅裕さんのサイトはこちら
発言と行動に一貫性があり、すばらしい。
熊本での町おこしの事例や赤ちゃんポストの現状を聞いた。いろんな言葉が印象に残っている。
「自分がやっていることは、やりたいことではなく、ほっとけないことです。」
「結局、嘘をつかず、真摯に向きあうことしかできない。問題解決するのはやはり人間力、地道な信頼関係の積み重ねしかない。」
「その人が何を言ってようと、服にご飯粒がついてたら、その人のイメージってできるじゃないですか。そういうモノを見逃さないことが大切だと思うし、人と人のコミュニケーションってそういうのも含まってると思うんですよね。」
「どっぷり漬かってるように見えて、少し距離を置いてる自分がいるんですね。」
「マイノリティのために動くのが行政で、マジョリティは営利団体がやるでしょう。僕はマイノリティを支援します。」
「問題解決には時間がかかる。」
他にもいろんな人がいたが、キリがないので、このへんでとりあえず終了!
前回の記事は以下です。
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