インターネットで出会った4人のジーンズファンが、究極のジーンズを作る物語。1998年の話だからもう10年以上前。ネットもECも今ほど普及してなかった時代。
4人は会ったことがなく、お互いの顔も知らない。しかし、掲示板やメールを駆使して、最高のジーンズを目指す。こだわって作ったジーンズ250本は一週間で売り切れ
ジーンズを作る際の、検討状況や生産過程が細かく描かれている。消費者目線でモノ作りを追求していて、スーパーコンシューマーと共通点が多い。
モノ作りとビジネスのバランス
こだわりのジーンズは16800円で販売しているが、冒頭に、ビジネスとしては成立していないと明確に書かれている。消費者目線でモノ作りを追及することと、ビジネスとして成立させることのバランスは本当に難しい。ビジネス意識が低いからこそ、消費者の共感を得られる部分もある。
持続可能性の重要性
経済的な成功を生んでないのだとしたら、お金を使った大人の遊びだ。そのような位置づけでこのような遊びをするのは面白い。
しかし、それだと単発で、継続することができない。こういう遊びも持続可能にしたいわけです。意義ある活動のビジネス化です。遊びもボランティアも仕事も全部そうです。仕事と遊びの境界はない。
よーく周りを見渡してみると、スーパーコンシューマーのような活動はあちこちにある。
忙しいという言い訳をせず、持続可能かどうか、さらに探りたい。
放課後と帰社後のパワー
糸井重里がこのジーンズマニア4人に送ったメールは以下のようにはじまる。
とても楽しく拝見しました。これからの世の中は、放課後と帰社後のパワーが動かしていくのだと思っています。
(中略)
学校のカリキュラムの外で、会社の仕事の外で、確実に新しいタイプの知性が育っている。これこそが勉強で、これこそが研究、そしてこれこそがクリエイティブというものなのではないか。
なんで、アフターファイブのエネルギーが強まってるのだろう。これは随分昔の話だが、10年以上経った今、更にその傾向が強くなってきてると思う。
必死にやらない遊びは暇つぶしのような仕事と同じで、全然楽しくない。
そのとおりだと思う。リスクを取れなくては、永遠に自分以外の何かに依存することになる。
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