サムライ集団に関わって「サムライ」とか「武士道」とかいう言葉をよく聞くようになったけど、武士道がいまいちわからない。そんな話をしていたら、新渡戸稲造の『武士道』という本をすすめられた。1900年に世界で発売された本があるなんて!
武士道 (まんがで読破)
まず読んだのは、大好きな(まんがで読破)シリーズ。『武士道(ぶしどう)』の思想をマンガでわかりやすく伝えてくれます。武士道って、日本の武士たちが守ってきた生き方や心の持ちようを表す言葉なんですね。共感できることが多かった。
これまでは「日本人の道徳観=神道」って思っていたけど、武士道も日本人の精神に影響を与えていると思いました。そして、この仕組みを作った江戸幕府はすごい!
「花は桜木、人は武士」という言葉をはじめて聞きました。読んだときは意味が分からなかったけど、「桜は花の中でもっとも美しく、武士は人の中でもっとも気高い存在」ということ。ヨーロッパでは騎士道がバラと結びついているように、日本では武士道が桜と結びついている。その美意識の違いもまた、興味深く、騎士道にも興味を持った。子どもの頃は桜の良さがいまいち分からなかったけど、いまでは毎年春が楽しみです。
この漫画では「忠義・勇・礼・誠・名誉・義」といった武士道の徳目が丁寧に解説されていて、中でも「忠義」については考えさせられました。上に立つ者への絶対的な忠誠って他の国ではほとんど見ないです。トップがしっかりしていたら集団行動で結果を出すけど、危うくもある。戦争の時代にその忠義が「玉砕」へとつながったわけですからね。
戦後、日本は武士道を否定するような教育を受けてきたけど、まだ残っているように思う。けれど、それすらもいつかは完全に消えてしまうのかもしれないという寂しさも感じた。
Kindle Unlimitedで読みました!

まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」
次に読んだのは、まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」―――剣は心なり(Business Comic Series)。
こちらもサクッと読めて面白かった。同じことを書いてるけど、表現が違うのでより理解が深まる。江戸時代から現代にタイムスリップしてきた女の子が武士道を解説してくれる。第7章まであって、章ごとに義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義の解説になっている。入門書としてわかりやすい。
難しい哲学書や歴史書を手に取るのは少しハードルが高いと感じる人にも、漫画はおすすめ。さらっと読めるのに、心に残る。読み返したくなる一冊でした。これもKindle Unlimitedで読みました!

日本人の道徳
武士道とは、もともと武士のあいだで生まれた「どう生きるべきか」という道徳的な考え方なんですね。正義・勇気・誠実・礼儀・名誉・忠義といった価値を重んじ、「たとえ命を失っても恥をかいてはならない」という考え方のようです。
江戸時代
この武士道が明確な形になったのは、江戸時代。徳川家康が天下統一して江戸時代がはじまり、そこから260年にわたる平和な時代が続いた。戦がなくなったので、武士は戦う必要がなくなって失業したわけです。
徳川幕府は、平和を保つために、武士に「精神的な模範」としての存在を求めた。社会秩序を保つために、儒教の教えを取り入れて武士道を整えていった。
神道
同時に、神道も社会の精神的な土台として存在していたと思う。神道は、アニミズムに天皇の神格化が加わった日本独自の信仰で、自然や祖先を敬い、天皇を中心とした秩序を重視します。そこには「清らかさ」や「調和」を大切にする精神がある。武士道にある「礼儀」や「恥を知る心」、「先祖に恥じない行動をとるべき」といった価値観にも神道の影響があると思う。
刀
江戸時代の武士は15歳前後で元服(げんぷく)という成人儀式を行い、それを機に名前を改め、マゲを結い、正式に刀を持つことが許されました。刀は、武士だけが帯刀を許された特別なモノ。刀を持つことは武器を持つことではなく、責任を持つことでした。そして、武士は刀を命のように大切にしたのです。
日本人の価値観
日本人は無宗教だと言われることも多いけど、実際のところ僕たちの道徳や価値観は、神道・仏教・儒教(を基にした武士道)といった思想が長い時間をかけて混ざり合ったものだと思っています。そして、僕は神道・仏教・武士道の考え方が好きです。
江戸時代の「鎖国」「平和」「階級社会」という特殊な条件の中で、武士道と神道が融合し、日本独自の価値観が生まれた。それが協調、礼儀、誠実、忠義なんだと思う。
新渡戸稲造『武士道(Bushido: The Soul of Japan)』
日本人の精神文化を英語の著書で海外に紹介した明治時代の思想家・新渡戸稲造。5000円札だった人。
国際連盟事務次長も務め、著書『武士道』は、流麗な英文で書かれ、長年読まれている。1984年(昭和59年) から2007年(平成19年)まで発行された日本銀行券の五千円券の肖像としても知られる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/新渡戸稲造
1900年に刊行された『武士道(Bushido: The Soul of Japan)』は、武士道の本質を西洋の人々にわかるように整理したもので、騎士道やキリスト教倫理と比較しながら、日本人の精神の根底を解説しているそうです。
この本によって、武士道は世界に知られるようになり、日本という国の価値観が、海外に伝えられていったそうです。そんな重要なことを今まで知らなかった。
敗戦してこれらの日本的な価値観は排除されてしまったけど、現代の日本人の行動には深くに根づいている気がする。戦争前に書かれた武士道は面白そう。本も読んでみます。
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