10月中旬の中間提案の準備をしないといけない。
中間提案とは今までのヒアリングを元に今回のスコープを定義してプレゼンするのだ。
普通の仕事と同じだけど、普通の仕事よりヒアリングフェーズは長い。提案に向けて、この連休で、Wordpressに原稿を流し込んで、ワイヤーフレームを作った。
久しぶりに情報設計すると楽しい。Wordpressも久しぶりだったので、あっという間に時間が過ぎた。ページ数は現在50ページ。この50ページに、今までヒアリングした内容をコンテンツとして肉付けしていく。
ビジネスモデルと組織の脆さ
ヒアリングして感じたのは、やはり、やりがい重視の組織構造になっていた。なんとかして持続可能な組織にしたい。
ほとんどのNPOにビジネスモデルと組織に脆さがあると思う。
今回のプロジェクトで言うと、今のままだとサイトリニューアルはそれほど重要でない。
サイトへのアクセスはほとんどない。しかし、カウンセリング利用者は右上がりに伸びている。講座も埋まっていて、じょむの関係者は忙しい。
必死に宣伝しなくても、じょむの良さは口コミで広がっている。これは組織の本来あるべき姿だ。
そんな忙しいじょむだが、ビジネス視点で見ると、まだまだ成り立っていない。いろんなところで無理している。この状態で宣伝しても、もっとキャパオーバーになってしまうだけ。
NPOじょむの収益源
- 利用者からはカウンセリング、講座、デイケアの料金
- 支援者からは、助成金、維持会員
助成金は不安定要素だ。僕はボーナスのように考えている。助成金依存している事業はいずれ終了する。維持会員はじょむを支援してくれる方々の募金だ。年間1万円と3000円の二種類がある。
そして、現状の維持会員の属性は大きく2つに分かれる。
- 立ち上げ当時からの支援者
- 講座利用者
講座を受けてじょむの存在を知って、支援してくれている人たちがいる。つまり、みんなじょむと関わりがある人たちなのだ。
サイトを訪問しただけで、よし、募金しよう!となることはまずない。だから、じょむに関わってもらって、じょむの存在を知ってもらうことが重要。だから、講座が重要なのだ。
次に利用者から得られる料金だが、カウンセリング料金は業界で破格の安さだ。
じょむのポリシーとして、ハラスメント被害者にはできるだけ安い金額でカウンセリングしたいと気持ちがある。もう少し高くしていいと思うけど、これが団体ポリシーなので変えにくい。
講座は、参加者がみんな、すばらしい内容と言う。すばらしい講座のようだ。(僕は受けてないからまだ分からん。)
この講座料金も考えられないぐらい安い。1000円とか500円とかだ。他の団体の講座を受けたことがあるが、そのときも500円だった。なぜそんな料金設定になるのだろうか?
僕はこの講座料金をなんとしても適正価格にしたい。カウンセリングに来る人と講座受講生にヒアリングすると、明らかに属性が違う。講座受講生は楽しみながら、時にはスキルアップのために受講している。この良質の講座を、なんとかして収益源にしたい。
今の状態は、一般の人向けのサービスはすべて赤字で、それを維持会員や助成金で成り立たせている状態。ほとんどのNPOがこういうものかもしれない。
ビジネスモデルをどう変える?
講座に関しては、業界の標準を調査した上で、適正価格とはいくらなのかを提案したい。料金改定は簡単なことではないが、いずれ通らないといけないと考えている。
もし、料金改定できなければ、サイトではあまり宣伝したくない。すでにキャパオーバーなのだ。宣伝などしなくても口コミで確実に広まっている。宣伝して集客すれば参加者の質は下がる、参加者を増やせば、講座の質も下がる。そのバランスは料金と密接に関係する。
料金改定できれば、もっと宣伝したい。(と、僕は思っている。)
もう1つ考えているのは企業提携。じょむが企業の人事に営業しても、なかなか難しいと思う。なぜなら、じょむのやっている従業員目線での支援は、企業の利権とは重ならないケースが多いからだ。
担当者に恵まれないとハードな営業になる。そこで考えているのは人事コンサル企業との提携だ。そういう業者と手を組んで、企業向けに講座開設するのだ。
そのほうが現実性があり、収益源にもなりえる。これはすでに提案済みで、10月に入ったら、じょむ、人事コンサル会社、我々で会議を行う。
支援のカタチを増やす
最後に検討したいのは支援のカタチである。
今は維持会員になると、講座料金が安くなるのだが、これもターゲットがズレている気がする。
支援したい人と講座を受けたい人は必ずしも一致していない。講座を受ける人は、じょむを支援しているというより、講座料金がどうすれば安くなるかを考えている。
年間10回以上受講すると、維持会員になるほうが安い。僕は維持会員と講座チケットを分けたほうがいいと思う。
なぜなら、講座視点で見ると、維持会員に入ってもらったほうがじょむは財政が厳しくなるのだから。年間1万円と3000円の支援の違いも分かりやすくしたほうがいいだろう。