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【鳥取】白兎神社|因幡の白兎

因幡の白兎

鳥取旅行の途中で立ち寄った白兎神社。神話「因幡の白兎」の舞台です。「因幡の白兎」の物語は、『古事記』に記されている日本の神話の一つ。白兎がサメ(=ワニ)をだまして海を渡って、怒ったサメに皮を剥がされて傷ついているところを大国主命に助けられる。古事記だけじゃなく、日本昔ばなしにもある。

因幡の白兎の物語

昔、白いうさぎが、淤岐之島(おきのしま)から因幡の国へ渡ろうとしました。しかし泳いで渡ることができなかったため、海にいたサメ(古代では「ワニ」と呼ばれていました)たちに、「お前たちと、私たちうさぎと、どちらが数が多いか数えてみよう」と言って、海の上に並ばせ、その背中を踏んで渡ろうとしました。ところが、最後のサメの背にたどり着いたとき、うさぎは「実はお前たちをだましたのだ」と言ってしまい、怒ったサメに皮をはいでしまわれ、全身の皮膚がむけるほどの重傷を負ってしまいます。

体中が傷だらけになったうさぎは、浜辺で苦しんでいました。そこへ、因幡の八上比売(やがみひめ)を妻に迎えようと旅していた多くの神々、八十神(やそがみ)たちが通りかかります。うさぎは助けを求めますが、八十神たちはわざと「海水で体を洗い、風に当たって乾かすといい」と嘘の治療法を教えました。うさぎが言われた通りにすると、傷はさらに悪化し、ひどい痛みに襲われます。しばらくして、最後に通りかかったのが、大国主命(おおくにぬしのみこと)でした。彼は兄たちとは違い、うさぎの苦しみを真剣に思いやり、正しい治療法を教えました。「すぐに川の真水で体を洗い、河原に生えている蒲(がま)の穂の綿を取って、それを傷にあてなさい」

うさぎは言われたとおりにすると、やがて痛みは引き、元気を取り戻します。癒されたうさぎは、大国主命に感謝し、こう告げます。「八上比売は、あなたのような優しくて思いやりのある方こそ、ふさわしいお方です。きっとあなたの妻となるでしょう」その後、白兎の予言通り、大国主命は八上比売と結ばれる。

白兎神社の先代宮司の考察

この説話は、「大国主の国づくり」の前に、なぜ他の兄弟神をさしおいて大国主が国をもったかを説明する一連の話の一部である

https://ja.wikipedia.org/wiki/因幡の白兎

この話はモヤモヤする。うさぎは悪いことをしたから自業自得。なのに、「かわいそうな存在」として描かれている。そんな質問をAIにすると、

これは神話という物語の特性が関係しています。つまりこの話は、うさぎの善悪よりも、大国主命のやさしさや賢さを際立たせるために作られた話なのです。うさぎが悪かったかどうかはあまり問題ではなく、「それでも困っている相手にどう接するか」を描いているのです。

納得できない。そしたら、白兎神社のサイトに面白い説明を発見して、少し納得。

因幡の白兎について | 日本神話 古事記 原文・訳と白兎神社による考察 | 白兎神社

白兎神社 参拝

前置きが長くなったが、行ってきた時の様子も残しておく。白兎神社は「はくとじんじゃ」です。

白兎神社の鳥居

鳥居を潜って、階段を登っていくと、神社の説明があったり、ガマがあったり。

因幡の白うさぎの砂像もありました。うさぎは縁結びみたいになってるんですね。

白兎神社の参道

至るところに白い石

山道の脇には白兎がズラズラならんでいて、兎や鳥居や至るところに白い石が積まれていました。

少し歩くと白兎神社が見えてきます。小さい神社です。

白兎神社

しめ縄にはコインが挟まっていました。

白兎神社のしめ縄には小銭がある

主祭神は白兎神を主神として保食神を合祀

面白かったのは神社の主祭神。「白兎神を主神として保食神を合祀している」って書いてるんです。

白兎神社のご祭神

保食神って書かれている神社をはじめて見たけど、ウサギだけじゃなくてワニも祀っていて、日本古来の神道、「すべてのものに神が宿る」という八百万(やおよろず)の神の考え方ですね。そう思って、あとで調べたら、保食神はウケモチノカミと読むそうです。ほしょくしんと思ってました。保食神は食物を司る神らしい。

そういえば、「縁」の文字が付いた「結び石」というのが売っていました。「鳥居の上に投げて、うまく乗れば良い縁がある」と言われてるそうです。だから、至る所に石があるんです。

淤岐之島

海岸に出ると、淤岐之島が見えます。

淤岐之島

古事記では、ウサギは淤岐之島から因幡に向かったとされています。「淤岐之島」は、現在では鳥取県・白兎海岸沖にあるこの島を指すとされているけど、時代によって位置の解釈や呼び名に揺らぎがあるようです。また、案内板やネット上では「ウサギが淤岐之島にたどり着いた」と説明されていることもあって、古事記の記述とは逆になっているのが興味深いです。

海岸から見ると、遠くからでも島の鳥居がよく見えます。神話でいうと、出雲の「国譲り神話」に登場する稲佐の浜に似た雰囲気があります。また、フィリピン・ボラカイ島の「Willy’s Rock」にも似ている。神道でもキリスト教でも、岩に神聖さを感じる文化があるのが面白いですね。

そういえば、出雲大社にも因幡のうさぎがたくさんいました。

出雲大社の巨大しめ縄